赤いカーネーションと白いカーネーション 母の日。 秀麗は仕事が休みでなかった為、前日、皆で墓参りに行ったのだが。 この日は、朝から派手な音がした。 (え、何!?) がばっ。 嫌な予感。 邵可が庖厨 で、やはり、ごそごそしてるではないか。 ひくひく。 顔を引きつらせる秀麗。 「と、父様…何してるの」 「秀麗はうちでは皆の母親役だろう? 今日は母の日。感謝に何か手料理をと思ってね」 「そんなの、別にいいわよ」 「えっと。鍋はどれがいいかな」 がらがらがっしゃーん!! 「掃除が大変なの」 ブラック秀麗降臨。 仕事に遅刻する。 あの清雅に嫌味を言われる。 たまったものじゃない。 「とりあえず朝食にするから、出て行って!」 「ごめんよ、秀麗」 「はーぁ。玖狼叔父様は、器用なのに」 「玖狼はね、器用貧乏なんだよ」 「お嬢様、お目覚めですか」 「静蘭、おはよう」 「おはようございます。またですか」 「ええ」 「私のほうが帰りは早いですから、私が片付けておきます。 お嬢様はお仕事に専念してください」 「頼むわね。いっけない!」 ぴゅーっ。 急いで、父親と静蘭の分の朝ご飯を用意し、自分は目玉焼きだけをかじると、 服を着替えて、秀麗は走って登城した。 帰れば、綺麗に庖厨 は片付けられていていた。 机には赤いカーネーションと白いカーネーションの花がある。 「静蘭?」 「勿論無料 ですよ、お嬢様」 其の日の夕方は、姮娥楼から、特製の豪華な食事も差し入れられた。 そこで、秀麗も、後日、特製焼売を胡蝶にお礼代わりに差し入れしたのだった。 「高級なものを食べてる胡蝶姐さんには味気ないだろうけれど」 「そんなこと無いね、娘の手料理が何時だって一番美味しいさ」 おしまい。長月様⇒HP
velentの長月様のサイトの20万hitと6周年記念フリー小説です。
母の日のほのぼのとした光景にとても和みました!(><)
秀麗は皆に愛されてますよねv
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